当院は大阪府指定第二次救急告示病院の指定を受けており、年間 4,000〜5,000例の救急搬送患者と約 8,000例のウォークイン患者の診療を行っています。
当院での救急医療体制は、救急科と循環器科が窓口となっており、循環器科以外の全ての救急患者は救急科で受け入れを行っています。
患者は Common disease はもとより、CPA、外傷(重度多発外傷のみ除く)、中毒など、ほぼ全ての救急疾患の診療を行っています。
救急科では外来診療のみを担当しており入院後の診療は行っていませんが、研修医の希望があれば、内科に限っては入院後も引き続き診療することも可能です。
初期研修医は研修プログラムの中で当科指導医の熱くも楽しい指導の下、救急初期診療を実践していただきます。
その結果、当院での初期研修を修了しますと、その後どの道を選択しても、ER総合診療医として自信を持って診療に臨めるものと思っています。
後期研修医は全ての救急初期診療に従事するとともに、さらに高度な診療手技を身につけるため、ICUでの研修の他、院内留学(院外留学も可)の形で、内視鏡、超音波、IVRなどの検査・治療手技、手術、麻酔などの研修もしていただきます。
当院で一緒に救急医療を実践してみませんか。とてもやりがいのある仕事だと思います。
期間
3ヶ月(1年次)+ 自由選択(2年次)
一般目標
救急医療や重症病態の診療を実践することで、すべての臨床医に求められるプライマリケアに必要な基本的な知識・技能・態度について研修する。
救急患者に係わる医師およびコメディカルと協調することの重要性を学ぶ。患者およびその家族との良好な人間関係の構築に努める態度を身につける。
行動目標
1.心肺蘇生法を開始・中止の判断・実行ができる。
2.治療に必要な各種処置ができる。
3.当面の治療法を選択、決定でき、それに対する準備ができる。
4.他科に相談、紹介すべき患者をトリアージできる。
5.コメディカルとも相談し治療方針を決定する。
6.重症病態に対する知識を持ち、これを理解できる。
7.重症病態に対する治療法を理解できる。
8.一次救急患者には一人で対応できる。
9.患者およびその家族に対し的確な病状説明ができる。
研修内容
1.救急外来での診療を指導医のもとで担当する。
2.救急外来を受診した患者の診療内容を検討する。
3.救急外来から入院になった患者の経過を検討する。
4.外来手術の助手を務める。
5.上級医・指導医のもと、外来手術を執刀する。
6.指導医のもと、地方会レベルの学会発表と論文の作成を行う。
週間スケジュール
平日9:00~17:00 、土曜9:00~13:00の救急外来診療を担当する。
週1回 抄読会、輪読会、勉強会に参加する
週1~2回 当直業務に努め、上級医とともに救急外来診療を担当する。
研修評価
研修期間を通じて、知識・技能・態度について観察評価を行う。適宜ミーティングにより形成的評価を行う。
到達目標1 臨床判断能力と問題解決能力
見学 | 介助 | 実施 | 実施数 | 目標数 | 自己 評価 |
指導医 評価 |
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救急患者の初療 | 発症時の情報と病歴の正確な聴取 | 20 | |||||||
バイタルサインのチェック | 20 | ||||||||
創傷の診察と評価 | 10 | ||||||||
理学的所見の診察法と評価 | 20 | ||||||||
静脈採血 | 20 | ||||||||
動脈採血 | 10 | ||||||||
緊急臨床検査の実施と検査結果の評価 | 20 | ||||||||
動脈血液ガス分析の評価 | 20 | ||||||||
緊急画像診断(単純X線、CT、MRI) | 20 | ||||||||
緊急超音波診断(胸腹部、心エコー) | 10 | ||||||||
緊急心電図の解読 | 20 | ||||||||
救急診療に必要な基本的手技 | BLS(一次救命処置)の実施 | 胸骨圧迫 | 10 | ||||||
緊急心電図の解読 | 10 | ||||||||
ACLS(二次救命処置)の実施 | 気管挿管 | 5 | |||||||
除細動 | 5 | ||||||||
圧迫止血法・包帯法 | 5 | ||||||||
胃管の挿入と管理 | 5 | ||||||||
膀胱留置バルーンカテーテルの挿入と管理 | 5 | ||||||||
末梢静脈輸液路確保 | 10 | ||||||||
中心静脈輸液路確保 | 5 | ||||||||
観血的動脈圧モニター | 5 | ||||||||
腰椎穿刺 | 1 | ||||||||
救急診療に必要な基本的治療 | 創傷処置 | 10 | |||||||
熱傷処置 | 5 | ||||||||
局所麻酔法の実施 | 10 | ||||||||
皮膚切開と縫合の実施 | 10 | ||||||||
胸腔ドレーン挿入 | 2 | ||||||||
骨折整復・牽引・固定 | 3 | ||||||||
救急薬剤の投与 | 10 | ||||||||
人工呼吸管理 | 10 | ||||||||
診療録の記載 | 診療録をPOSに従い記載 | 30 | |||||||
電子カルテの正確な運用 | 30 | ||||||||
入院・退院診療計画書の作成 | 10 | ||||||||
紹介状・返信の作成 | 10 | ||||||||
診断書の作成 | 5 | ||||||||
死亡診断書の作成 | 2 | ||||||||
各種救急病態に関する知識 | 輸血の適応と実施方法 | 3 | |||||||
ショックの診断と治療 | 3 | ||||||||
高体温の診断と治療 | 3 | ||||||||
意識障害の診断と治療 | 3 | ||||||||
頭痛の診断と治療 | 5 | ||||||||
眩暈の診断と治療 | 3 | ||||||||
痙攣の診断と治療 | 3 | ||||||||
失神の診断と治療 | 3 | ||||||||
呼吸困難の診断と治療 | 3 | ||||||||
胸痛の診断と治療 | 3 | ||||||||
不整脈の診断と治療 | 3 | ||||||||
急性腹症の診断と治療 | 5 | ||||||||
吐・下血の診断と治療 | 3 | ||||||||
脳血管障害の診断と治療 | 3 | ||||||||
頭部外傷の診断と治療 | 5 | ||||||||
胸部外傷の診断と治療 | 5 | ||||||||
腹部外傷の診断と治療 | 5 | ||||||||
四肢・骨盤外傷の診断と治療 | 5 | ||||||||
脊椎・脊髄外傷の診断と治療 | 3 | ||||||||
熱傷の診断と治療 | 3 | ||||||||
急性中毒の診断と治療 | 5 | ||||||||
破傷風・ガス壊疽の診断と治療 | 1 | ||||||||
溺水の診断と治療 | 1 | ||||||||
急性臓器不全の診断と治療 | 1 | ||||||||
急性感染症の診断と治療 | 3 | ||||||||
体液・電解質異常の診断と治療 | 3 | ||||||||
酸塩基平衡異常の診断と治療 | 3 | ||||||||
凝固・線溶異常の診断と治療 | 3 | ||||||||
環境障害の診断と治療 | 3 | ||||||||
脳死の診断 | 1 | ||||||||
救急外来患者の初療 | 30 | ||||||||
入院が必要な患者の初療 | 15 | ||||||||
患者・家族に対する病状説明が正しくできる | |||||||||
コメディカルと協調して診療ができる |